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ルター 95カ条の提題

1508年にヴィッテンベルクの大学に若い聖書学の教授として赴任したマルティン・ルター。1517年にヴィッテンベルク城教会のドアに、贖宥状の販売に抗議して「95箇条の提題」を貼り付けた。ルターが司教たちに「提題」を送ったが、返事がなかった(無視された)ため、友人たちに「提題」を見せただけだったともされる。
ルターが「提題」で問題にしたのは贖宥状だけで、表面的には比較的温和な内容だったらしい。
キリスト教徒はおかした罪を、聖地への巡礼などであがなわねばならないが、教会はこれを赦免することができる、として発行された免罪証書が贖宥状。赦免は祈りや献金などで得られたが、しだいに濫用され、サン・ピエトロ大聖堂再建の名目で贖宥状が発行されていた。
実際は、マクデブルク大司教アルブレヒトが、選帝侯マインツ大司教をかねるためにフッガー家から多額の借金をして、それを返済するために、ローマ教皇と売上を折半するという条件で贖宥状を売り出していた。修道士テッツェルは、マインツ大司教の委託を受けて巧みに売り歩いた。それに反発したのがルターだった。