大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

第3場面 聖アントニウスの大祭

聖アントニウスの大祭に開かれる第3場面。左翼「聖アントニウスの聖パウルス訪問」、右翼「聖アントニウスの誘惑」、中央に1505年ハーゲナウアー作の木彫群(モノクロ)。木彫群の中央はアントニウス、左にアウグスティヌス、右にヒエロニムス。アントニウスは家畜の守護聖人でもあったため、農民が鶏や子豚を差し出している。アウグスティヌスの前で跪いているのはグエルシの前任者オルリアコ。プレデッラが開きキリストと十二使徒の木彫群も現れる。
左翼は聖アントニウスが隠修者パウルスを訪る場面。「黄金伝説」が伝えるエジプトの砂漠を思わせるものは椰子の木だけで、背後には緑の森と遠くの高く白い山が描かれている。二人の聖人のためにふだんの倍のパンを運んできたカラスの奇跡が主題。アントニウスの左下にグエルシの紋章が描かれていて、アントニウスはグエルシの肖像、パウルスはグリューネヴァルトの自画像だとされている。