大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

聖女の夢 聖女ウルスラ伝

ケルンでウルスラの夢に殉教のしるし棕櫚の葉を持った天使が現れ、やがて信仰のために死ぬことを告げられた場面。上流階級の寝室を思わせる室内に朝の光が射し込んでいる。
風俗描写のように見えるが、ベッドの足下の王冠、小机の開いた本、二つの扉口の上の古典的彫像など象徴的事物が置かれている。正面の二重窓に置かれたミルテとカーネーションの鉢は「愛」と「結婚」を意味している。水彩による準備素描が残されていて、写実的描写から整合的な秘儀の表現へ移っていることがわかる。
この連作は1490年頃に「ケルン到着」から着手し、1500年頃の「使節団の役目解除」で完成している。物語の順に制作したものではなく、主題や制作順には異説もある。
1493年 巡礼者たちの殉教と聖女の葬儀
1495年 婚約者の対面と巡礼への出発   1490年代
カルパッチョ Carpaccio
聖女の夢 聖女ウルスラ伝
1495年 カンヴァス 油彩 274×267cm
ヴェネツィア アカデミア美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3