大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

婚約者の対面と巡礼への出発 聖女ウルスラ伝

1488年カルパッチョは聖女ウルスラ同信会から彼にとって最初の大作、礼拝堂の側壁を飾る9面の聖女伝の注文を受けた。「黄金伝説」イタリア語版の聖女ウルスラ伝説を基に構想されたらしい。
3世紀、ブリタニア(ブルターニュ)のキリスト教徒の王の娘として生まれたウルスラは異教徒のイングランド王の世子コノン(洗礼名アエテレウス)から求婚されると、王子のキリスト教への改宗とローマ巡礼を条件として承諾した。
画面左は王子コノンがイングランド王と家族に別れを告げている。旗竿の右ではブリタニアに着いた王子がウルスラと会っている。右端で二人はブリタニア王と王妃に別れの挨拶をし、その奥でボートに乗りローマへ行くための船に向かっている。