一般の聖フランチェスコ伝では描かれない、フィレンツェでの地方的な奇跡譚。名門貴族スピーニ家の子供がその邸の窓から転落して死亡するが、聖フランチェスコの奇跡の力で復活するという話。
場面はスピーニ邸とサンタ･トリニタ聖堂の間にある、当時の現実の広場。中景左で子供が窓から落ち、男が駈け寄っている。前景中央では、空中に現れた聖者の力で甦った子供が寝台の上で身を起こし、尼僧や母親、二人の修道士が祈っている。前景左にはスピーニ家の人々、右にはこの地区の有力者（アルビッツィ、アッチャイウオーリ、ストロッツィ）たちの肖像、右端の二人は作者ドメニコ･ギルランダイオと弟ダヴィドとされている。
1480年代

遠景中央にはサンタ･トリニタ橋（16世紀の改修前）、中景右のサンタ･トリニタ聖堂（16世紀の改修前）からは聖歌隊が出て来ている。
聖フランチェスコ伝　会則の認可
両側面　羊飼いの礼拝

ギルランダイオ　Ghirlandaio
スピーニ家の子供の蘇生　聖フランチェスコ伝
1482〜86年　フレスコ　左右375cm
フィレンツェ　サンタ･トリニタ聖堂サッセッティ礼拝堂
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1
イタリア・ルネサンスの巨匠たち15　ドメニコ･ギルランダイオ