ルネサンス以前のイタリア彫刻 2
アルノルフォ・ディ・カンビオ Arnolfo di Cambio
(1245頃〜1302/10以前)
ヴァザーリ以来19世紀まで彫刻家としてより建築家として評価されていた。
ニコラ・ピサーノの堅固な量体感覚と擬古代風な造形感覚を発展させ、生き生きとした古代ローマ風の息吹とゴシックのエネルギーを注入することで「ネオ・ロマネスク」ともいわれる彫刻様式を作り上げた。
1260年代ニコラの工房で「シエナ大聖堂説教壇」や「聖ドミニクス墓碑」制作に携わった後ニコラの工房を離れたらしい。1270年代後半にはシャルル・ダンジューに仕えてローマで活動している。「シャルル・ダンジュー」座像
(ローマ人によって元老院議員に列せられた)シャルルは2頭の獅子像(1頭は口を開け雄々しさを、1頭は口を閉じ寛大さを表す)が配された椅子に座している。角張った大理石の処理、厳格さや英雄性を表す顔貌などの簡潔で無駄のない構築性がアルノルフォの彫刻様式を表している。
サン・パオロ・フォリ・レ・ムーラ聖堂のギボリウム
聖母子 イタリア彫刻
アルノルフォ・ディ・カンビオ
シャルル・ダンジュー 1270年代? 大理石
イタリア ローマ カビトリーノ美術館 モノクロ
世界美術大全集10 ゴシック2
(1245頃〜1302/10以前)
ヴァザーリ以来19世紀まで彫刻家としてより建築家として評価されていた。
ニコラ・ピサーノの堅固な量体感覚と擬古代風な造形感覚を発展させ、生き生きとした古代ローマ風の息吹とゴシックのエネルギーを注入することで「ネオ・ロマネスク」ともいわれる彫刻様式を作り上げた。
1260年代ニコラの工房で「シエナ大聖堂説教壇」や「聖ドミニクス墓碑」制作に携わった後ニコラの工房を離れたらしい。1270年代後半にはシャルル・ダンジューに仕えてローマで活動している。「シャルル・ダンジュー」座像
(ローマ人によって元老院議員に列せられた)シャルルは2頭の獅子像(1頭は口を開け雄々しさを、1頭は口を閉じ寛大さを表す)が配された椅子に座している。角張った大理石の処理、厳格さや英雄性を表す顔貌などの簡潔で無駄のない構築性がアルノルフォの彫刻様式を表している。
サン・パオロ・フォリ・レ・ムーラ聖堂のギボリウム
聖母子 イタリア彫刻
シャルル・ダンジュー 1270年代? 大理石
イタリア ローマ カビトリーノ美術館 モノクロ
世界美術大全集10 ゴシック2
一時期ペルージャで活動した後、1282年オルヴィエートで制作した「枢機卿デ・ブライエ墓碑」の上段を飾る「聖母子」は自然主義的というより抽象的で古代ローマ彫刻を思わせる。
1280〜90年代はローマで活動。「教皇ボニファティウス8世墓碑」、「聖ペテロ(サン・ピエトロ大聖堂 ブロンズ像)」などを制作している。1284年にはピエトロ・ディ・オデリシオと共同でサン・パオロ・フォリ・レ・ムーラ聖堂のギボリウム(祭壇天蓋)、1293年にはサンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ聖堂のギボリウムを完成させている。アーチ・モティーフ、尖塔(ピナクル)などの北方ゴシックとモザイク象眼などのローマのコスマーティの影響が見られるが、諸部分の分節を図って複雑さの中の簡潔性、構築空間の中の彫刻というアルノルフォの造形感覚が表れている。
晩年はフィレンツェ大聖堂ファサードの彫刻に取り組み、1296年以降造営主任となっている。ファサードにある3つの入り口の上のリュネット(半円形区画)にはマリア伝「降誕の聖母」「聖母子」「聖母の死」などアルノルフォの彫像が配された。中央入口上のリュネットに置かれた「聖母子」の両側には「聖女レパラータ」「聖ゼノピウス」が配され、聖母の目は象眼されている。
アルノルフォ・ディ・カンビオ
聖母子(枢機卿デ・ブライエ墓碑部分)1282年 大理石
イタリア オルヴィエート サン・ドメニコ聖堂 モノクロ
世界美術大全集10 ゴシック2
1280〜90年代はローマで活動。「教皇ボニファティウス8世墓碑」、「聖ペテロ(サン・ピエトロ大聖堂 ブロンズ像)」などを制作している。1284年にはピエトロ・ディ・オデリシオと共同でサン・パオロ・フォリ・レ・ムーラ聖堂のギボリウム(祭壇天蓋)、1293年にはサンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ聖堂のギボリウムを完成させている。アーチ・モティーフ、尖塔(ピナクル)などの北方ゴシックとモザイク象眼などのローマのコスマーティの影響が見られるが、諸部分の分節を図って複雑さの中の簡潔性、構築空間の中の彫刻というアルノルフォの造形感覚が表れている。
晩年はフィレンツェ大聖堂ファサードの彫刻に取り組み、1296年以降造営主任となっている。ファサードにある3つの入り口の上のリュネット(半円形区画)にはマリア伝「降誕の聖母」「聖母子」「聖母の死」などアルノルフォの彫像が配された。中央入口上のリュネットに置かれた「聖母子」の両側には「聖女レパラータ」「聖ゼノピウス」が配され、聖母の目は象眼されている。
聖母子(枢機卿デ・ブライエ墓碑部分)1282年 大理石
イタリア オルヴィエート サン・ドメニコ聖堂 モノクロ
世界美術大全集10 ゴシック2