大航海時代とルネサンス2018
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コルテス政略誌9

コルテスは彼をケツァルコアトルと考えているモンテスーマの客としてテノチティトランに宿舎を提供されているだけだった。そこで彼はモンテスーマを捕らえ、自らの傀儡とすることを考えた。
宿舎の水の面の宮殿は普段宝物庫として使われていた。祭壇を作る場所を探していたスペイン人は偶然秘密の扉を見つけた。その中には大量の宝石や金の板があった。ベルナールは「わたしの生涯のうちで、こんなに多くの富を見たことがない」、「この広い世界にこうした宝庫が他には決してあり得ないと確信した」と書いている。コルテスは扉をもとの通りに封印した。スペイン人たちはこれらの宝物を安全に持ち出すことを考えた。
同じ頃トトナコ人に対し、メキシコ人の総督クアウポポカが税金を納めるように命じた。トトナコ人はそれを拒み、ベラクルスの守備隊ホァン・デ・エスカランテに協力を求めた。40人のスペイン人とトトナコ人はクアウポポカを襲ったが、4000人のメキシコ軍に破れトトナコ人は降伏しベラクルスは包囲された。この戦いでエスカランテは殺されたらしい。この知らせはスペイン人を極度に緊張させた。
11月14日朝、コルテスは5人の主な部下とともにモンテスーマを訪ねた。ベラクルスのスペイン人が攻撃されたことを責め、責任がはっきりするまでモンテスーマにスペイン人の宿舎に移るように求めた。この要求に驚いたモンテスーマは彼の子供たちを人質にすることを申し出たが断られ、モンテスーマ自身の希望で自分の宮殿から出ることを廷臣と護衛の士官たちに告げた。モンテスーマにはそれまでの生活を続けることが認められていた。

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