大航海時代とルネサンス2018

コルテス政略誌8

モンテスーマはスペイン人のための夕食を準備させ、彼らが食事を終えると再びスペイン人の宿舎を訪れた。ベルナールは、モンテスーマは52歳だったが40歳を上回っているようには見えなかった、と記している。
モンテスーマはコルテスに何者かと問いかけ、コルテスはカルロス1世の使者であると答えている。このときモンテスーマはカルロス1世やスペインについてさらに詳しい説明を求めていない。翌朝コルテスはモンテスーマに答礼訪問を行った。話は宗教に絡み行き詰まった。その後2日間コルテスは宿舎に止まっていた。
11月12日、コルテスはトラテロルコの市場と神殿の見学を申し入れた。大きな市場はスペイン人を驚かせた。数多くの商品が並べられ、警官によって秩序が維持されていた。ベルナールが注目したのは公衆便所があることだった。
大航海時代年表　コルテス7　コルテス9

テノチティトランの地図　コルテスがスペイン国王に送った第2の報告書に付されたもの　古代アステカ王国　中公新書
アステカ文明の謎　講談社現代新書によると中央広場から下に伸びる道がイスタパラパ堤道

その後神殿に向かうとモンテスーマはピラミッドの頂上で彼らを待っていた。あたりの眺望を楽しむように促され、それぞれの堤道やチャプロテペクからテノチティトランへ水を送る水道などが見えた。
コルテスは神殿の聖域へ入ることを求め、モンテスーマは神官たちと相談し、それを認めた。そこには生け贄の心臓が供えられ、壁は血にまみれていた。コルテスは聖域を出ると、メキシコの神を悪魔だとして、十字架と聖母マリア像を安置するように求めた。モンテスーマはひどい侮辱を受けた神を鎮めるためさらに生け贄を捧げなければならないと答えた。スペイン人はピラミッドを降りた。
中庭を通る途中で生け贄の死体が集められた部屋に案内され、頭蓋骨を串にさして保管する台も見せられた。その先には少年少女のための二つの学校があり、きめ細かい配慮で教育が行われているようだった。

テノチティトランの地図　古代アステカ王国　中公新書

下は中央広場の想像図　左の大きなピラミッドは軍神ウイツィロポチトリに捧げられたもの。右端に一部見えているのがモンテスーマの宮殿。