大航海時代とルネサンス2018
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コルテス政略誌13

スペイン兵が堤道に最初の携帯用の橋を架けた時、メキシコ軍のラッパと笛が鳴り響き猛烈な攻撃が始まった。ボートに乗ったメキシコ兵は湖上から攻撃し、堤道の上にも間隔をおいてメキシコ兵が立ちふさがっていた。
やがて携帯用の橋が破壊され、スペイン軍は二分された。コルテスは前半の部隊約500人を率いてタクバに逃れた。残りのスペイン軍を救うために堤道へ向かったコルテスは後衛のアルバラードと出会った。
彼の報告は、スペイン兵全員約800人が殺されるか、捕らえられた。大砲や宝物の大部分は失われ、捕虜の王侯も殺された、というものだった。コルテスはアルバラードとタクバに戻った。80頭の馬のうち生き残ったのは23頭で、トラシュカーラ人もその多くが殺されるか、捕らえられた。
タクバの傷ついたスペイン軍はトラシュカーラ人の勧めで6キロメートルほど先のトトルテペク(七面鳥の山)にある神殿ピラミッドへ向かった。
朝になるとメキシコ軍が攻撃してきた。負傷と空腹で絶望的な状況のスペイン軍はなんとか攻撃を退けた。深夜スペイン軍はかがり火をつけたまま、トトルテペクを出て、トラシュカーラをめざした。
メキシコ軍の主力部隊は捕虜を生け贄にする儀式で忙しく、コルテスの軍を追跡できなかったらしい。
7月7日オトゥンバにメキシコ軍主力部隊が集まり、スペイン軍との戦いになった。敵軍の指導者を殺すことを第一としたスペイン兵がメキシコ軍の最高司令官「蛇女」を殺したことで戦いは終わった。

首都に帰ってきたコルテス軍を四方から包囲攻撃するアステカ軍
「リエンソ・デ・トラスカラ」 古代アステカ王国 中公新書