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ヘレフォード図

1300年頃に製作され、以来イギリス西部のヘレフォード大聖堂に収蔵されている世界地図(Mappamundi)。
エルサレムを中心としたTO図でサイズは159×134cm。この地図には聖書による物語や空想によるものなど約1100の記載項目があり、それとほぼ同数の装飾的記号や場面が描かれている。
典拠とされているのは大プリニウスの「博物誌」。彼が著した37冊のうち4冊は地理について書かれている。2世紀ローマで編纂された地理学の書「アントニヌスの旅行記」、その他キリスト教徒の作家やセビーリャ大司教イシドルスなどの書物をもとにした記述も多いとされる。この頃のヨーロッパの人々の世界観を知ることができる。1999年に開かれた国際会議で「この地図に書き込まれた記述の書き写しと翻訳に成功した」と報告されている。
現存するのは中央の地図の部分だけだが、1780年頃のスケッチによると両側にパネルがあり受胎告知が描かれていた。あまり鮮明な画像ではないが、5つの部分に分けて見ていきたい。