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フリードリヒ賢明公・弟ヨハン堅忍公

ザクセン選帝侯フリードリヒ賢明公(在位1486〜1525)
デューラーにも多くの作品の注文をして、その評価を高めた人物。クラーナハの1510年頃の銅版画「聖バルトロマイを崇敬するフリードリヒ賢明公」は習作の域に止まっているが、この作品によって公の聖人崇敬を知ることができる。「マタイによる福音書」によると、聖バルトロマイはキリストの弟子だが、その働きについての記述はない。伝承ではインドに伝道し、病人を癒やしたとされる。
フリードリヒ賢明公は人文主義的教養を持ち、大学を創建したが、病弱で諸聖人の慈悲にすがる気持ちが強かったらしい。1494年にはエルサレムを訪れ、膨大な量の聖遺物を集め、1520年には1万9千点になっていたという。
1523年11月から翌年2月にかけて、帝国国会に出席するためにニュルンベルクに滞在している。
1552年までに、弟ヨハン堅忍公(1503〜54)は選帝侯の地位と大半の領土を失っている。

世界美術大全集14 北方ルネサンス 人物略歴
クラーナハとルター クラーナハ
クラーナハ
聖バルトロマイを崇敬するフリードリヒ賢明公
1510年頃 銅版画 18.7×16.5cm モノクロ
ハンブルク美術館