大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

ルネサンス以前のイタリア絵画 2

ピサはギベリーニ(皇帝派)の都市でアンジュー家支配のナポリ、シエナと密接な関係にあった。
写本挿絵には皇帝フェデリコ2世の宮廷で制作された写本挿絵からの影響が見られる。
シエナ絵画様式は、1319〜20年にシモーネ・マルティーニがピサのサンタ・カテリーナ聖堂主祭壇画として制作した大多翼祭壇画と、1320〜30年のシモーネの義弟で共作者のリッポ・メンミのピサ滞在によって広まった。
14世紀イタリア絵画、最良の画家の一人ともいわれるピサ出身のフランチェスコ・トライーニが活動を始める。1321〜45年までの史料に名前が頻繁に登場する。おそらく1348年ペストで世を去ったとされている。このページで作品を紹介できているのは一部を共作している「聖トマス・アクィナスの栄光」だけ。
初期の作品とされる「聖母子」にはシエナ派の特徴が見られ、リッポ・メンミの作品を独自に解釈している。14世紀前半のトスカーナでは唯一の挿絵画家でもあった。『フラ・グイド・ダ・ピサによるダンテ「地獄編」注解』の挿絵。1330〜35年頃には助手と共にカンポサントの壁画「キリストの磔刑」(傷みが大きい)を制作している。