大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

サン・パオロ女子修道院の丸天井画(部分)

パルマのサン・パオロ女子修道院の院長ジョヴァンナ・ダ・ピアチェンツァの居間の天井装飾。この居間(645×697cm、中央部の高さ655cm)は院長の私的な客間・食堂で、院長の名前ジョヴァンナ(Giovanna-Giana-Diana)にちなみ、処女神ディアナを讃える神話的・寓意的主題が描かれている。禁欲的な女子修道院内の図像としては異例だが、院長ジョヴァンナは世俗的で開放的な修道院経営を続けたとされる。彼女の死後、修道院はただちに禁制化され、この壁画も18世紀後半になって「再発見」された。
コレッジョは注文主ジョヴァンナに勧められて、異教的・神話的テーマに取り組むために、1519年にローマに滞在したとされ、人物像にはラファエロやミケランジェロからの影響も指摘されている。
各区画には果実の房の下に楕円形の天窓が開けられ、2〜3人のプットがだまし絵風に描かれている。天窓の下の半円形の部分にはモノクロームで神話的・寓話的主題が表されている。この区画の主題についてはパノフスキーの研究を中心にいくつかの解釈がある。院長ジョヴァンナの道徳的理念(愛、純潔、美徳、神への従順など)を寓意している。その下には山羊の頭の間に渡された帯布で支えられた各種の食器が描かれ、食堂としての部屋を示している。
暖炉の上のディアナ、天井画全体
1510年代
コレッジョ Correggio
サン・パオロ女子修道院の丸天井画(部分)
1519年頃 フレスコ
イタリア パルマ サン・パオロ女子修道院
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3