コンスタンティヌス帝の凱旋門を中心に画面は縦3つに分けられている。右から、出エジプトの際にモーセとその兄アロンへ不満を持ったイスラエル人暴徒がモーセを石で打ち殺そうとし、ヨシュア（モーセの後継者）が暴徒たちを押さえようとしている。
中央の祭壇の右側では三重冠をつけた祭司アロンとその子エレアザルが香炉を振り、その前でモーセは鞭を振り上げて、兄の祭司職を奪おうとしたコラ、ダタン、アビラムに懲罰が下るよう神に願っている。
左では大地が口を開き、反逆したコラとその一党が呑み込まれている。その上で雲に乗った二人は難を逃れたアロンの二人の息子とされる。二人の右に描かれた二人と、右の暴徒の後ろの人々は物語とは関係のない、当時の人たちが描かれている。

凱旋門の屋階には主題に関わる、新約聖書「ヘブライ人への手紙」5章の言葉「また、この貴き任務は、アロンのごとく神に召さるるにあらずば、誰も自ら之を取る者なし」が刻まれている。

システィーナ礼拝堂 1480年代

ボッティチェリ　Botticelli
反逆者たちへの懲罰
1481〜82年　フレスコ　348.5×570cm
ヴァティカーノ宮　システィーナ礼拝堂
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1