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システィーナ礼拝堂

システィーナ礼拝堂は教皇シクストゥス(シスト)4世の創建で1473年頃に建造を開始、1480年か少し後に完成した。公的行事のための教皇専属の礼拝堂で、教皇選挙のための枢機卿会議(コンクラーベ)が行われる場所として知られている。
1481年側壁の中段と上段装飾のために、ボッティチェリ、ギルランダイオ、コジモ・ロッセッリ、ペルジーノが招かれた。下段にはシクストゥス4世の家紋「ローヴェレの樫」が施され、後にラファエロの下絵によるタピスリーが掛けられた。中段左側にモーセの生涯、右側にキリストの生涯が描かれているが、モーセをキリストの予言的前兆とみる図像伝統に従っている。上段の初期の教皇立像はその下の物語絵を制作した画家たちの工房が担当し、1482年3月5日までに完成することを求められた。
中段の物語絵は主祭壇側から始まり、入口側へと進んでいる。最初の「ナイル川から拾い上げられたモーセ」と「キリスト降誕」はミケランジェロの「最後の審判」が描かれた時に廃棄され、入り口側の2点は16世紀に乱暴に描き直されたためオリジナル作品とは扱われなくなった。左右各6面が当初の連作として残されている。
天井はミケランジェロの「創世記」が描かれる前には紺青の地に星がちりばめられていた。
モーセの生涯 キリストの生涯
1480年代
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
ヴァチカン ATSイタリア出版