大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

学芸の集まりへ導かれる青年

1873年にフィレンツェ郊外(現在は市内)のヴィッラ・レンミの漆喰壁の下から3面の壁画が発見された。ボッティチェリの真筆と認められ、状態のよい2面がルーヴル美術館に売却された。
この別荘の持ち主だったトルナブオーニ家のロレンツォとアルビッツィ家のジョヴァンナとの結婚(1486年)を記念して描かれたとされている。
木立を背景にする野外の場で、若い男が一人の女に案内されて左から近づき、右側に座っている女性たちと出会っている。女性たちは持物から自由七学芸の擬人像だとわかる。手前で背を向けているのはオルガンとオルガン用ふいごから「音楽」、その右は天球儀から「天文学か占星術」、その右は曲尺から「幾何学」、一段高く弓を持って若者を迎えているのは、学芸の統率者「智慧」、その左で膝に計算用の板を立てた「算術」、サソリを持つ「弁証法」、巻物を持つ「修辞」と並んでいる。