創世記 ボローニャ サン・ペトローニオ聖堂
ヴァザーリはヤコポ・デッラ・クエルチャ(1374頃〜1438)が初期ルネサンスへの転換を成し遂げた最初の芸術家だとしている。シエナ派の彫刻家で、初期の「イラリオ・デル・カレット墓碑(1406年頃 ルッカ大聖堂)」には清新な自然主義が見られ、中期のシエナ・カンポ広場の「フォンテ・ガイア(1414〜19年)」には自然主義の中に人間的な優美さが見られる。晩年のボローニャのサン・ペトローニオ聖堂入り口「創世記」の浮彫の肉体表現は中世彫刻から完全に脱したことを表していて、後にミケランジェロにも大きな感化を与えたともされる。

1420年代
左 楽園追放(モノクロ)、右 エヴァの創造
1429(25)〜38年 大理石
ボローニャ サン・ペトローニオ聖堂
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
画像右 世界美術大事典 小学館