「皇帝ネロの前で魔術師シモンと論争する聖ペテロと聖パウロ」
画面右側。玉座の皇帝と左端白い衣裳のシモン、その右に聖ペテロと聖パウロ（光輪が描かれている）。二人の聖人がシモンを論破する場面。（黄金伝説84章）
左は「聖ペテロの磔刑」。ローマ郊外で、頭を下に磔にされる聖ペテロ。（黄金伝説84章）
フィリッピーノ・リッピは異質な建築空間の分節を用いて二つの場面を描き分けている。全体の人物構図はマザッチョに適応させながら、個々の人物像には独自の自然主義的解釈が示されている。
ブランカッチ礼拝堂　1420年代

右端の人物がフィリッピーノの自画像とされ、ボッティチェリ（左側右から二人目）、A・ポッライウォーロ（皇帝の左赤い帽子）の肖像も描かれているとされる。

フィリッピーノ・リッピ
「皇帝ネロの前で魔術師シモンと論争する聖ペテロと聖パウロ」
「聖ペテロの磔刑」
1481〜86年頃　フレスコ　230×598cm
フィレンツェ　サンタ･マリア･デル･カルミネ聖堂
世界美術大全集11　イタリア･ルネサンス1　画像に折り跡