己の影を投じて病者を癒やす聖ペテロ 共有財産の分配とアナニヤの死
祭壇の両側下段に描かれている「己の影を投じて病者を癒やす聖ペテロ」
聖ペテロは聖ヨハネを従えて狭い通りを歩いている。足元にうずくまる病者を見ていないが、ペテロの影で癒やされていることは、病者の態度によって示されている。
粗石積み風の壁面、張り出し窓のある建物がフィレンツェの町を思わせる。修復で奥の鐘楼を備えた教会堂などが表れた。登場人物には何人か肖像とされる人がいる。左側二人の頭部が大きいのが気になる。 ブランカッチ礼拝堂 1420年代
「共有財産の分配とアナニヤの死」マザッチョ
「共有財産の分配とアナニヤの死」
初期のキリスト教時代の信徒は全てのものを共有していた。アナニヤとその妻は地所を売ったが、その代金の一部だけを使徒たちの足元に置いた。聖ペテロは「神を欺いた」と二人を叱責、アナニヤは言葉を聞いているうちに倒れて死に、妻も続いた。
聖ペテロと聖ヨハネは共同体の財産を分配している。子供を抱く母親が受け取り、杖をついた男や白いかぶり物をつけた老婆が続いている。1427年に始まったカタスト制との関連も指摘され、アナニヤは脱税者ということになる。
背景の山々は雪を頂いている。イタリアでの最初の雪景色とされている。
初期のキリスト教時代の信徒は全てのものを共有していた。アナニヤとその妻は地所を売ったが、その代金の一部だけを使徒たちの足元に置いた。聖ペテロは「神を欺いた」と二人を叱責、アナニヤは言葉を聞いているうちに倒れて死に、妻も続いた。
聖ペテロと聖ヨハネは共同体の財産を分配している。子供を抱く母親が受け取り、杖をついた男や白いかぶり物をつけた老婆が続いている。1427年に始まったカタスト制との関連も指摘され、アナニヤは脱税者ということになる。
背景の山々は雪を頂いている。イタリアでの最初の雪景色とされている。