マリア伝
礼拝堂外側のバロンチェッリ家墓碑銘に刻まれた1328年が制作開始の時期とされている。
物語は2世紀に成立した新約聖書外典「ヤコブ原福音書」と「黄金伝説」によっている。東壁上部のリュネット、左に「神殿から逐われるヨアキム」、右に「ヨアキムへの告知」。中段左に「金門の再会」、右に「マリアの誕生」、下段左に「マリアの神殿奉献」、右に「マリアの結婚」。
南壁の「受胎告知」「聖母のエリザベツ訪問」「羊飼いへの告知」「キリスト降誕」「マギへの告知」「マギの礼拝」と続く。
1329年にジョットがナポリに招かれたため、タッデオ・ガッディが描いたとされる。
これらの作品のうち、よく取り上げられるのが奥行きを表現するために斜めの神殿を描いた「マリアの神殿奉献」と最初の夜の場面といわれる「羊飼いへの告知」。
24年間ジョットの弟子をつとめたとされるタッデオ・ガッディだがその評価はあまり高くない。ゴシック様式へ向かう流れの中で、彼の華麗な色彩とグラデーション、複雑な建築描写は大いに受け入れられたらしい。
また礼拝堂左側壁の腰羽目に描かれている二つの壁龕とその内部に描かれている典礼用具はアッシジのロレンツェッティ「疑似壁龕」に次ぐ古代以来の静物画のひとつとされている。
1320年代「マリアの神殿奉献」「羊飼いへの告知」「疑似壁龕」
タッデオ・ガッディ Taddeo Gaddi
マリア伝
1328〜30年頃 フレスコ 1040×607cm
フィレンツェ サンタ・クローチェ聖堂 バロンチェッリ礼拝堂
世界美術大全集10 ゴシック2
物語は2世紀に成立した新約聖書外典「ヤコブ原福音書」と「黄金伝説」によっている。東壁上部のリュネット、左に「神殿から逐われるヨアキム」、右に「ヨアキムへの告知」。中段左に「金門の再会」、右に「マリアの誕生」、下段左に「マリアの神殿奉献」、右に「マリアの結婚」。
南壁の「受胎告知」「聖母のエリザベツ訪問」「羊飼いへの告知」「キリスト降誕」「マギへの告知」「マギの礼拝」と続く。
1329年にジョットがナポリに招かれたため、タッデオ・ガッディが描いたとされる。
これらの作品のうち、よく取り上げられるのが奥行きを表現するために斜めの神殿を描いた「マリアの神殿奉献」と最初の夜の場面といわれる「羊飼いへの告知」。
24年間ジョットの弟子をつとめたとされるタッデオ・ガッディだがその評価はあまり高くない。ゴシック様式へ向かう流れの中で、彼の華麗な色彩とグラデーション、複雑な建築描写は大いに受け入れられたらしい。
また礼拝堂左側壁の腰羽目に描かれている二つの壁龕とその内部に描かれている典礼用具はアッシジのロレンツェッティ「疑似壁龕」に次ぐ古代以来の静物画のひとつとされている。
1320年代「マリアの神殿奉献」「羊飼いへの告知」「疑似壁龕」
マリア伝
1328〜30年頃 フレスコ 1040×607cm
フィレンツェ サンタ・クローチェ聖堂 バロンチェッリ礼拝堂
世界美術大全集10 ゴシック2