
サー・トマス・モア家族図のための習作
1527年ホルバインはイギリスで、トマス・モアの50歳の誕生日を記念した「サー・トマス・モア家族図(失われている)」を描いた。1528年、モアはその習作をホルバインに託してバーゼルのエラスムスに届けている。その習作にはモアと親しい天文学者クラッツアーが、家族の名前と年齢を褐色のインクで書いている。左から次女、養女、父(ジョン・モア76歳)、やや奥に息子の許嫁、トマス・モア、息子、道化、手前に三女、長女、モアの妻アリス、右の補紙にアリス57歳、座るべしと記されている。左奥の戸棚上の食器は、完成作の模写では弦楽器と書物に変えられている。
エラスムスは1529年9月にフライブルクで礼状を書いている。この習作は1536年バーゼルで死去したエラスムスの遺品のなかから発見された。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1520年代
ハンス・ホルバイン(子)
サー・トマス・モア家族図のための習作
1527年頃 紙 ペン 黒インク 38.9×52.4cm
スイス バーゼル美術館
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1520年代
サー・トマス・モア家族図のための習作
1527年頃 紙 ペン 黒インク 38.9×52.4cm
スイス バーゼル美術館
