
アレクサンドロスの戦い
バイエルン公ヴィルヘルム4世が、自らが勇気や正義の信奉者であることを示すために、古代や聖書で伝わる歴史や物語を一連の絵画として描かせた作品の1点。アルトドルファーのほかにハンス・ブルクマイヤー(父)、イェルク・ブロイなど当時の著名な画家が招聘され、ミュンヘンの宮廷の園亭を飾った。
上部の銘板に「アレクサンドロス大王は、ペルシアの10万の歩兵が次々と倒され、1万を超える騎兵が殺された後で、最後のダレイオスに勝利する。ダレイオスは1000名足らずの騎兵とともに逃げおおすことができたが、彼の母と妻と子供たちは囚われの身となった」と記されている。紀元前333年のイッソスの戦いを描いていることがわかる。戦闘場面の中央で3頭立ての白馬に引かれて敗走するダレイオスをアレクサンドロス大王が追撃している。
ダレイオスの上の三日月は消え去ろうとし、アレクサンドロスの背後には雲間から朝日がのぞいている。三日月はオスマン・トルコを意味し、ウィーンに迫ったイスラム教徒への危機感と勝利を願うものでもあった。
人間にとって重大な決戦でも、大自然の中では小さな出来事に過ぎないとしているようにも見える。
戦闘場面拡大図
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1520年代
アルトドルファー
アレクサンドロスの戦い
1529年 板 油彩 158.4×120.3cm
ミュンヘン アルテ・ピナコテーク
上部の銘板に「アレクサンドロス大王は、ペルシアの10万の歩兵が次々と倒され、1万を超える騎兵が殺された後で、最後のダレイオスに勝利する。ダレイオスは1000名足らずの騎兵とともに逃げおおすことができたが、彼の母と妻と子供たちは囚われの身となった」と記されている。紀元前333年のイッソスの戦いを描いていることがわかる。戦闘場面の中央で3頭立ての白馬に引かれて敗走するダレイオスをアレクサンドロス大王が追撃している。
ダレイオスの上の三日月は消え去ろうとし、アレクサンドロスの背後には雲間から朝日がのぞいている。三日月はオスマン・トルコを意味し、ウィーンに迫ったイスラム教徒への危機感と勝利を願うものでもあった。
人間にとって重大な決戦でも、大自然の中では小さな出来事に過ぎないとしているようにも見える。
戦闘場面拡大図
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1520年代
アレクサンドロスの戦い
1529年 板 油彩 158.4×120.3cm
ミュンヘン アルテ・ピナコテーク
