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皇帝マクシミリアン1世の家族

ベルンハルト・シュトリーゲル(1465/70〜1528)は1498年から宮廷肖像画家だった。美術史に名前は残されていないが、皇帝に重用されて、貴重な情報を後世に伝えている。1507年、コンスタンツの帝国議会の際に描かれた、甲冑を身につけ王冠と王笏と剣の権票を持つ公式の皇帝肖像は、多くの模写によってマクシミリアンの肖像を広く伝えることになった。
1515年、皇孫のフェルディナントとマリアがボヘミア・ハンガリー王家の子女と二重結婚をした際に描かれた「皇帝マクシミリアン1世の家族」では私人マクシミリアンを見ることができる。最初の妻で故人のマリー・ド・ブルゴーニュ、亡き長男フィリップ、皇孫のカールとフェルディナント、マリアの夫でボヘミア・ハンガリー王ルートヴィヒ2世とともにマクシミリアンが描かれている。
のちにこの作品を取得したヨハネス・クスピニアンによって聖一族図とされ、それぞれの人物に相当する聖人名が記されている。また側面からの肖像はドイツ美術の伝統にはなく、ビアンカ・マリアが連れてきたミラノの宮廷画家アンブロージョ・デ・プレディスの影響があったとされる。
1510年代
世界美術大全集14 北方ルネサンス
ベルンハルト・シュトリーゲル Bernhard Strigel
皇帝マクシミリアン1世の家族
1515年 板 72.5×60cm
ウィーン 美術史美術館
画像 図説 ルネサンス百科事典 三省堂