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聖セバスティアヌスの殉教

ハンス・ホルバイン(父)
若い頃ネーデルラントを遍歴し、アウクスブルクに弟・子と工房をかまえて、多くの注文作を制作した。晩年はバーゼルやイーゼンハイムでも仕事をしている。
色彩感覚に優れ、明るさや状況による色の微妙な変化を捉えて、グリューネヴァルトに影響を与えたとされる。初期の人物形態はゴシックの浮遊性を残しているが、晩年の「聖セバスティアヌスの殉教」や「生命の泉(1519年)」の明快な画面構成や古代建築には、イタリア・ルネサンスに近いものが感じられる。
近代性を示している人物肖像素描は肖像画家、ホルバイン(子)につながっている。

大きな樹木の前に聖セバスティアヌスの古代風裸体像、両側に人物像を配してバランスのとれた画面構成になっている。前面の二人の兵士が視線を奥に導いている。
当初の枠に年記があった。両翼があり、左翼に寄進者の妹、右翼にはその姪と同名の聖女バルバラ、エリザベツが描かれている。聖セバスティアヌスとともに病気や死、貧困から人々を守護する願いがこめられている。

ハンス・ホルバイン(父)
聖セバスティアヌスの殉教
1516年 板 153×107cm
ミュンヘン アルテ・ピナコテーク

セバスティアヌス祭壇画の両翼図
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1510年代