
ヤコプ・マイヤーとその妻ドロテア・カネンギーザーの肖像
1516年6月、商人の子で両替商として成功した34歳のヤコプ・マイヤーがバーゼル市長に選挙された。騎士・都市貴族の身分でなく、同業組合の親方でバーゼル市長に選挙された最初の人だった。彼が持つ金貨は両替商を表すとされていたが、バーゼル市が教皇ユリウス2世から許可された貨幣鋳造権を、1516年1月に皇帝マクシミリアンが追認したことを表していると解釈されている。マイヤーは1511年に最初の妻と死別し、翌年再婚している。マイヤーの頭上の建物に画家の署名と年記がある。
世界美術大全集14 北方ルネサンス 1510年代
世界美術大全集14 北方ルネサンス 1510年代
ホルバイン19歳の時の作。銀筆の習作がバーゼル美術館に残されている。銀筆素描は父譲りのもので、1523年までこの技法を使い、その後の素描は多色のチョーク(パステル)を使っている。
ハンス・ホルバイン(子)
ヤコプ・マイヤーとその妻ドロテア・カネンギーザーの肖像
1516年 板 テンペラ 各38.5×31cm
スイス バーゼル美術館
ヤコプ・マイヤーとその妻ドロテア・カネンギーザーの肖像
1516年 板 テンペラ 各38.5×31cm
スイス バーゼル美術館
