大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

雪の聖母の奇跡

聖母マリアが352年8月5日にローマに雪を降らせ、そこにサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂が造営されたという「雪の聖母」の伝説による作品。「雪の聖母」の信仰は1512年、アルブレヒトの前任者ウリエル・フォン・ゲミンゲンによってドイツに導入され、マインツ大司教の支援を受けたライツマンによって広まった。この作品もライツマンが書いた「栄光に満ちた神の母にして処女マリアの雪の祭典の物語(1511年)」の挿絵によっている。
教皇リベリウスが雪の上に聖堂建設の鍬入れをおこない、ローマの貴族ヨハンネス夫妻がそれを見守っている。背後には先だって夢にマリアを見た教皇と貴族夫妻が、眠った姿と空の聖母を見上げる後ろ姿で描かれている。
アシャッフェンブルクの参事会聖堂に新しく寄進された「雪の聖母」礼拝堂に設置された、シュトゥバッハの聖母子を中央図とする三連祭壇画の右翼図らしい。マインツ大司教アルブレヒト・フォン・ブランデンブルクが礼拝堂の献堂式をおこない、祭壇画はライツマンの依頼で描かれた。
同じ主題の作品をマゾリーノが「サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂の建立(イタリア 1430年頃)」で描いている。

世界美術大全集14 北方ルネサンス
1510年代
グリューネヴァルト
雪の聖母の奇跡
1517〜19年 板 油彩 179×91.5cm
ドイツ フライブルク(ブライスガウ)
アウグスティナー美術館