
エジプトへの逃避途上の休息
ヘロデ王による虐殺を逃れるためエジプトへ向かった聖家族が、旅の途中で休息をとる場面。(マタイによる福音書 第2章)
15世紀末から17世紀、風景表現が重要な課題となっていたネーデルラントの画家たちによって多く描かれた主題で、風景画の歴史とも直接重なっている。
1510年頃の作と考えられているこの「エジプトへの逃避途上の休息」は風景描写が重要な意味を持つようになった早い時期の作品。前景に大きく描かれた聖母は、膝の上で葡萄を食べようとしている幼児キリストを抱いている。聖母の足下には旅を暗示するバスケットが置かれ、背後ではロバが草を食んでいる。少し離れたヨセフは木の実を採ろうとしているのだろうか。
聖母の衣服の青は遠景やヨセフの衣服に色調を変えて反復され、前景の黄褐色や樹木の深緑と対比されている。
1510年代ヘラルト・ダフィット Gerard David
エジプトへの逃避途上の休息
1510年頃 板 油彩 45×44.5cm
ワシントン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集14 北方ルネサンス
15世紀末から17世紀、風景表現が重要な課題となっていたネーデルラントの画家たちによって多く描かれた主題で、風景画の歴史とも直接重なっている。
1510年頃の作と考えられているこの「エジプトへの逃避途上の休息」は風景描写が重要な意味を持つようになった早い時期の作品。前景に大きく描かれた聖母は、膝の上で葡萄を食べようとしている幼児キリストを抱いている。聖母の足下には旅を暗示するバスケットが置かれ、背後ではロバが草を食んでいる。少し離れたヨセフは木の実を採ろうとしているのだろうか。
聖母の衣服の青は遠景やヨセフの衣服に色調を変えて反復され、前景の黄褐色や樹木の深緑と対比されている。
1510年代
エジプトへの逃避途上の休息
1510年頃 板 油彩 45×44.5cm
ワシントン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集14 北方ルネサンス
