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キリストの降誕

セバスティアヌス祭壇画のなかの「オリーヴ山での祈り」「キリストの捕縛」とともに、夜景を描いたヨーロッパ絵画史上最初の板絵のひとつ。ネーデルラントのヘールトヘン・トット・シント・ヤンスが「聖夜(1480〜85年頃)」を描いているが、イエスが光源となって周囲を明るくする暗闇の中の降誕図になっている。
この作品では3人の天使が支える白布に横たわるイエスからの光がその周りを明るくしているが、大きな月の光が聖家族のいる廃墟、レンガの壁と漆喰、その周囲を照らしている。植物の葉や宙を舞う天使が持つ銘文帯の曲線は、アルトドルファー独特の線描法で描かれている。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1510年代
アルトドルファー
キリストの降誕
1511年頃 板 油彩 36.2×26cm
ベルリン 国立絵画館