大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

ヴェールの発見

リューラント・フリューアウフ(子 1470/75〜1545以後)
制作年が解る初期の作品「キリストの磔刑(1496年)」ではゴルゴタの丘に人物を密集させるなど、父の工房からの影響が見られるが、背景は金地ではなく都市と自然を描いている。
右の「ヴェールの発見」は1505年のレオポルト祭壇画翼の1点。クロスターノイブルクの参事会聖堂創立物語の一伝説を表したもの。4枚のパネルに「聖レオポルトの狩りへの出発」「猪狩り」「ヴェールの発見」「聖堂の建設」が描かれている。「ヴェールの発見」はニワトコの茂みにかかったヴェールが、聖母子出現で発見される場面。この茂みを中に取り込んで聖堂が建設される。自然が広く描かれ、はつらつとした動きを見せる人物や動物は添景になっている。(犬の腹が引っ込みすぎ)
他にキリスト受難伝祭壇画翼、洗礼者ヨハネ伝祭壇画翼を残している。1533年には市の参事会員となり、1545年には画家として活動している。淡い風景描写はアルトドルファーなどドナウ派の登場を準備するものだったが、後半生の作画活動は知られていない。

世界美術大全集14 北方ルネサンス
1500年代
リューラント・フリューアウフ(子)
ヴェールの発見
1505年 板 油彩 67×39cm
オーストリア クロスターノイブルク 修道院美術館