
ヘレナの誘拐「トロイア滅亡物語」仏訳本より
ラテン語の「トロイ物語」のフランス語訳写本。紋章から1500年頃に愛書家として有名だったエマール・デ・ポワティエ(ディアーヌの祖父)のために制作されたとされている。
14枚の全ページ大挿絵と48枚の本文中の小型挿絵、巻尾には未完成部分が残され、別に3枚の挿絵断片が残されている。
シテール島のヴィーナス神殿でスパルタ王妃ヘレナと出会い、恋に落ちたトロイの王子パリス。翌朝兵士とともに、再び神殿に詣でたヘレナ一行を襲い、王妃や侍女たちを捕らえ、神殿を掠奪した。
1490年代初めにジャン・コロンブの活動は終わっていた。しかし工房は子フィリベール、孫フランソワに引き継がれ、ジャンの様式の写本装飾は16世紀初めまで制作された。
右図にはフーケ、バルテルミーとは異なるバロック的な表現も見られる。挿絵のなかにはフランソワ・コロン(ブ)の署名やコロンブ工房の標語「息あるものはこぞって主を讃美せよ(詩篇)」が書き入れられたものがあり、ジャン自らではなくてもその工房で制作された、とされている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1500年代
ヘレナの誘拐「トロイア滅亡物語」仏訳本より
コロンブ工房
1500年頃 写本装飾 51×34cm
パリ 国立図書館
14枚の全ページ大挿絵と48枚の本文中の小型挿絵、巻尾には未完成部分が残され、別に3枚の挿絵断片が残されている。
シテール島のヴィーナス神殿でスパルタ王妃ヘレナと出会い、恋に落ちたトロイの王子パリス。翌朝兵士とともに、再び神殿に詣でたヘレナ一行を襲い、王妃や侍女たちを捕らえ、神殿を掠奪した。
1490年代初めにジャン・コロンブの活動は終わっていた。しかし工房は子フィリベール、孫フランソワに引き継がれ、ジャンの様式の写本装飾は16世紀初めまで制作された。
右図にはフーケ、バルテルミーとは異なるバロック的な表現も見られる。挿絵のなかにはフランソワ・コロン(ブ)の署名やコロンブ工房の標語「息あるものはこぞって主を讃美せよ(詩篇)」が書き入れられたものがあり、ジャン自らではなくてもその工房で制作された、とされている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1500年代
コロンブ工房
1500年頃 写本装飾 51×34cm
パリ 国立図書館
