大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

聖アントニウスの誘惑 森は聞き、野は見る

隠遁生活を送る聖アントニウス。悪魔は怪物などを使って、その信仰心を揺るがそうとしている。聖人は枯れ木のくぼみに、フクロウのように身を隠している。
中世キリスト教で、梟(フクロウ)は夜を好む淫乱、空を飛ばない怠惰、教会の油をなめる大食の三つを併せ持つ悪徳の鳥だった。
ボスは梟を「快楽の園」エデンの園の中心に描き、「森は聞き、野は見る」という素描も残している。ボスは梟に、朝の訪れとともに賢者から愚者に転落する、という二重性を持たせていたらしい。
ボス Hieronymus Bosch
右 聖アントニウスの誘惑
後期(1505〜16年頃) 板 油彩 70×51cm
マドリード プラド美術館
上 森は聞き、野は見る モノクロ
紙 ビスタ ペン 20.2×12.7cm 制作時期 不明
ベルリン 国立版画館(森に耳、草地に目が描かれている)