優雅で繊細な面立ちとしなやかで上品な手から、フランドルの名家出身と思われる女性の肖像画。下に向けた眼差しは敬虔な暮らしぶりを暗示してように見えるが、憂いを含んでいるようにもみえる。理想化された人物像の「マグダラのマリア（ブラック祭壇画　1452〜55年頃）」と比べると、実在の人の持つ個性が表情や心理描写にも描き出されていることがわかる。
1450年代

ロヒール･ファン･デル･ウェイデン　Rogier van der Weyden
若い女性の肖像
1455年頃　板　油彩　37×27cm
ワシントン　ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集14　北方ルネサンス