上段には受胎告知の場面。左に大天使ガブリエル、右に聖母マリア、中央の細長いパネルには窓を通して見える町の景観と室内の壁龕の中に水差しとたらい、タオルが描かれている。屋根裏部屋のような上部からキリストの誕生を預言した二人の預言者と巫女が受胎告知の場面を見下ろしている。
下段左右の寄進者ヨドクス･フェイトとその妻エリザベート･ボルルートが、中央にグリザイユで描かれた洗礼者聖ヨハネと福音書記者聖ヨハネの像に祈りを捧げている。
ガブリエルとマリアには部分的な彩色が施されているが、多くの祭壇画外部と同様に抑制された印象で、祭壇画内部を引き立てるように描かれている。
開扉時　1430年代

フーベルトおよびヤン・ファン・エイク
Hubert and Jan van Eyck
ゲント祭壇画
1432年　板　油彩　375×260cm（閉扉時）375×520cm（開扉時）
ベルギー　ゲント　シント・バーフ大聖堂
世界美術大全集14　北方ルネサンス