キリストの磔刑
十字架のキリスト、マリア、ヨハネをゴルゴタの丘の上に置くことで、背後の降りていく斜面や遠景が強められている。同様の構図が「トリノ=ミラノ時禱書」にもあり、ヤンの「宰相ロランの聖母」や「聖女バルバラ」とも共通する。この作品は仕上げが雑で表現も未熟なことから、ヤンが描いた失われた「磔刑図」をもとに描かれたと考えられている。
ファン・エイク派
キリストの磔刑
板 油彩 45×30cm
ヴェネツィア カ・ドーロ(フランケッティ美術館)
前景のキリスト、マリア、ヨハネは直接的な感情表現をみせている。ヤンの宮廷的作風とは異なり、ファン・エイク派のなかにもほとんどみられない。背景の風景にはフーベルト?の「キリストの墓を訪れる3人のマリア」と通じるものがある。
1420年代
世界美術大全集14 北方ルネサンス 小学館
ファン・エイク派
キリストの磔刑
板(カンヴァスに移行)油彩 43×26cm
ベルリン 国立絵画館