
エリエゼルとリベカ「聖ルイの詩篇集」より

「聖ルイの詩篇集」の巻頭には旧約聖書の物語「カインとアベルの供犠」から「サウルの戴冠」までが78葉の全ページ・ミニアチュールで連続的に描かれている。そのため絵画だけで聖書の物語を表現している同時代の作品と比較できる。
イサクの嫁取りの物語
左ページの左側ではユダヤの族長アブラハムと家令エリエゼルが話している。アブラハムが右を指さしていることで、話の内容が右側の場面で表されていることを示している。
「嫁を息子イサクのために連れてくるように」と命じられたエリエゼルは、ラクダでリベカの住むナホルの町へ着きリベカに水を飲ませてもらう。画面右下ではラクダが水を飲んでいる。(ラクダの頭が並んでいるのは異様に見える。)
世界美術大全集10 ゴシック2 1200年代後半
イサクの嫁取りの物語
左ページの左側ではユダヤの族長アブラハムと家令エリエゼルが話している。アブラハムが右を指さしていることで、話の内容が右側の場面で表されていることを示している。
「嫁を息子イサクのために連れてくるように」と命じられたエリエゼルは、ラクダでリベカの住むナホルの町へ着きリベカに水を飲ませてもらう。画面右下ではラクダが水を飲んでいる。(ラクダの頭が並んでいるのは異様に見える。)
世界美術大全集10 ゴシック2 1200年代後半
78葉の巻頭絵画は装飾的な外枠と美しい建築枠で縁取られ、金地背景に赤・青・金を主体とする色彩で描かれている。画面の奥行きは乏しいが、人物の肢体・動勢は洗練されている。
この「聖ルイの詩篇集」と対になっている「イザベルの詩篇集」(ケンブリッジ)とともに同じ工房で制作されたとされる。
右ページの右側でエリエゼルがリベカと侍女にイサクを示している。左側ではラクダを降りたリベカがイサクに挨拶をしている。
一般的に写本絵画では左から右へ読み進める。ここでは行って帰る動きと対応させている。
エリエゼルとリベカ 「聖ルイの詩篇集」より
1260年代頃 写本装飾 21.0×14.5cm(ページ全体)
パリ 国立図書館
この「聖ルイの詩篇集」と対になっている「イザベルの詩篇集」(ケンブリッジ)とともに同じ工房で制作されたとされる。
右ページの右側でエリエゼルがリベカと侍女にイサクを示している。左側ではラクダを降りたリベカがイサクに挨拶をしている。
一般的に写本絵画では左から右へ読み進める。ここでは行って帰る動きと対応させている。
1260年代頃 写本装飾 21.0×14.5cm(ページ全体)
パリ 国立図書館