
トリスタンとイズー
「教訓化聖書」の人物が活発な動きを表していたのに対して、この「梨物語」では人物が細身長身となり優美で緩やかな動きを示すようになっている。衣服でも幅の広い襞が目立っている。巻頭部分では左ページに画像、右ページにテキストが書かれ、読者は見開きページの画像とテキストを見ながら物語を理解するようになっている。本文ではテキストの装飾文字だけに画像が見られる。この画像はトリスタン物語の重要な作例とされる。
上のメダイヨンでトリスタンは自ら名乗り、恋人イズーを読者に紹介する。その後で、イズーの夫マルク王がモロワの森の二人の隠れ家にやって来た時のことを語る。
下のメダイヨンでは、抜き身の剣を間に葉陰で眠る二人を見たマルク王は、自分の手袋で日の光を遮っている。
この「梨物語」の巻頭にはクリジェスとフェニス、ピラムスとティスベ、パリスとエレーヌといった有名な恋人の物語と、本文の主人公で作者ティボーと恋人アニェスの恋愛物語が同様に表現されている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1200年代後半
トリスタンとイズー ティボー作「梨物語」より
1255〜60年頃 写本装飾 21.5×14.5cm(ページ全体)
パリ 国立図書館
上のメダイヨンでトリスタンは自ら名乗り、恋人イズーを読者に紹介する。その後で、イズーの夫マルク王がモロワの森の二人の隠れ家にやって来た時のことを語る。
下のメダイヨンでは、抜き身の剣を間に葉陰で眠る二人を見たマルク王は、自分の手袋で日の光を遮っている。
この「梨物語」の巻頭にはクリジェスとフェニス、ピラムスとティスベ、パリスとエレーヌといった有名な恋人の物語と、本文の主人公で作者ティボーと恋人アニェスの恋愛物語が同様に表現されている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1200年代後半
1255〜60年頃 写本装飾 21.5×14.5cm(ページ全体)
パリ 国立図書館
