
ヨハネ伝
「トリニティー黙示録」テキストと71葉の絵画で表される黙示録の前後に絵画だけでパトモス島へ行くまでと、帰ってからの福音書記者聖ヨハネの物語が描かれている。
中世では福音書記者ヨハネと黙示録のヨハネは同一人物とされていて、エフェソスでの布教をとがめられてパトモス島へ流され、そこで幻想を見て黙示録を記したとされていた。
画像はパトモス島を出発してからのヨハネ伝の部分。ドミティアヌス帝の殺害、エフェソスの人々に迎えられるヨハネ、ドルシアナの復活。
13〜14世紀にイギリスと北フランスでつくられた80冊ほどの黙示録写本は挿絵画像に密接な関係があって、アングロ=ノルマン群と呼ばれている。「トリニティー黙示録」、「ドゥース黙示録」もこのグループに入っている。黙示録の前後にヨハネ伝をつける作例も見られ、淡彩を施したデッサンで描かれている作品も多い。
「トリニティー黙示録」はページの様々な場所に絵画を割り付ける特殊なレイアウトで、図像は「ベアトゥス黙示録」との密接な関係が指摘されている。注文主の名前は知られていない、画中にときどき描かれている貴婦人が注文主とされ、ヘンリー3世(在位1270〜72)の妻で南フランス出身のエリーナ・オブ・プロヴァンスともされている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1200年代後半
ヨハネ伝 「トリニティー黙示録」より
1255〜60年頃 写本装飾 43.0×30.4cm(ページ全体)
イギリス ケンブリッジ トリニティー・カレッジ
中世では福音書記者ヨハネと黙示録のヨハネは同一人物とされていて、エフェソスでの布教をとがめられてパトモス島へ流され、そこで幻想を見て黙示録を記したとされていた。
画像はパトモス島を出発してからのヨハネ伝の部分。ドミティアヌス帝の殺害、エフェソスの人々に迎えられるヨハネ、ドルシアナの復活。
13〜14世紀にイギリスと北フランスでつくられた80冊ほどの黙示録写本は挿絵画像に密接な関係があって、アングロ=ノルマン群と呼ばれている。「トリニティー黙示録」、「ドゥース黙示録」もこのグループに入っている。黙示録の前後にヨハネ伝をつける作例も見られ、淡彩を施したデッサンで描かれている作品も多い。
「トリニティー黙示録」はページの様々な場所に絵画を割り付ける特殊なレイアウトで、図像は「ベアトゥス黙示録」との密接な関係が指摘されている。注文主の名前は知られていない、画中にときどき描かれている貴婦人が注文主とされ、ヘンリー3世(在位1270〜72)の妻で南フランス出身のエリーナ・オブ・プロヴァンスともされている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1200年代後半
1255〜60年頃 写本装飾 43.0×30.4cm(ページ全体)
イギリス ケンブリッジ トリニティー・カレッジ
