大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

バーリ卿死去 エリザベス治世末期

テューダー朝の政治の舞台は宮廷だった。国王を頂点にした恩顧関係が支配していた。称号、官職、独占特許など、さまざまな名誉や権益を求めさせて国王への求心力を強め、恩顧(パトロネジ)を与えて忠誠心を高めさせた。また恩恵を求める人々と国王の仲介をすることで、宮廷内の有力者を中心とする派閥がつくられた。エリザベスの治世前半には、バーリ卿ウィリアム・セシルとレスタ伯ロバート・ダドリの派閥が競ったが、十分な官僚組織をもたない女王は、派閥間のバランスをとることで統治を機能させていた。
1590年代になって宮廷内派閥の世代交代が進んだ。長期化したスペインとの戦争、凶作と飢餓、インフレ、疫病、食糧暴動などが続き、海外の植民地建設も社会問題の解決策のひとつだった。
1590年代
世界各国史11 イギリス史