大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

傭兵契約同盟

1521年、「永久平和」を「同盟」へと拡大強化した。
フランスはスイス各邦に支払う年金を3000フランに増額、スイス人を6000〜16000人の範囲内で傭兵として集める権利を得た。スイスはこれ以降、ナポレオンの時代まで傭兵契約同盟を繰り返し、フランス絶対王政の一部を支えることになった。
傭兵契約同盟を批判する声もあった。ツヴィングリはグラールスの司祭時代(1506〜16)に従軍司祭としてイタリア戦役に行き、マリニャーノの敗北を経験していた。1519年以降チューリヒの司祭として活動するが、グラールス時代の体験をもとに1521年の同盟には明確に反対した。説教壇から「自由な民衆をふたたび拘束し、自らの血と肉を売る」行為だとして非難したと伝えられる。1521年の「同盟」には盟約者団13邦のうちチューリヒだけは加わらなかった。
1522年、ツヴィングリは「シュヴィーツの盟約者団員にたいする神の警告」という論文を書いた。「諸侯の金に眼がくらむと、その結果は、われわれ自身の肉と血の損失を考えずに、ただ国外の諸侯に奉仕することになる」と指摘、最終的には諸侯のいいなりになってスイスの独立も怪しくなると主張した。しかし秘かに年金を受け取り、傭兵を集めて国外に出向く傭兵隊長がその後も存在した。