
カタルーニャにブスカ市政 アルフォンソ5世と人文主義
バルセロナでは香辛料貿易や金融業を営み都市内外に多くの土地を所有していた「都市貴族」が、市当局とジェネラリタートの主要官職をほぼ独占し、ビガという党派を組織していた。さらにレメンサ農民問題をかかえていた下級貴族とも密接な社会関係を維持していた。しかしビガ市政下でも商業の不振は続き、金融危機の再燃の恐れもあった。
毛織物産業などの輸出関連の商人や手工業者はブスカという党派を結成し、市政改革、通貨政策の変更、毛織物工業の保護、都市課税の削減を求め、ビガとの抗争を激化させていた。
1453年総督レケセンスはブスカ市政を実現させた。通貨切り下げ、外国産毛織物製品の輸入禁止、カタルーニャ関連の輸出入商品をカタルーニャ船に独占させる「航海条例」など保護主義的経済政策が出された。通貨切り下げは、香辛料価格の高騰、地代収入の減少、預金の目減りを意味したため、ビガの強い反発を招いた。都市貴族は公営銀行から預金を引き出し、都市財政が悪化、公債の発行にも支障が生じ始めた。政治改革の必要性を感じていたアルフォンソ5世が、レメンサ農民組合の結成を認めたため、王権と下級貴族の対立が表面化し、ブスカとビガの党派抗争はレメンサ農民も加わって拡大した。
毛織物産業などの輸出関連の商人や手工業者はブスカという党派を結成し、市政改革、通貨政策の変更、毛織物工業の保護、都市課税の削減を求め、ビガとの抗争を激化させていた。
1453年総督レケセンスはブスカ市政を実現させた。通貨切り下げ、外国産毛織物製品の輸入禁止、カタルーニャ関連の輸出入商品をカタルーニャ船に独占させる「航海条例」など保護主義的経済政策が出された。通貨切り下げは、香辛料価格の高騰、地代収入の減少、預金の目減りを意味したため、ビガの強い反発を招いた。都市貴族は公営銀行から預金を引き出し、都市財政が悪化、公債の発行にも支障が生じ始めた。政治改革の必要性を感じていたアルフォンソ5世が、レメンサ農民組合の結成を認めたため、王権と下級貴族の対立が表面化し、ブスカとビガの党派抗争はレメンサ農民も加わって拡大した。
このような状況でも、アルフォンソ5世は人文主義に関心を示し、その拡大の中心的役割をはたした。ナポリの宮廷にイタリアの人文主義者や側近を集め、ヴェルギリウスの読書会を開き、リウィウス、キケロ、セネカを愛読した。またカエサルの「ガリア戦記」やプトレマイオスの「世界地図」などの古代作品を組織的に収集して、図書館も造営、それを人文主義者たちのサロンとした。また人文主義者を利用して自らのナポリ王位継承権の正当化を図った。
絵画・彫刻にも関心をよせ、ファン・アイク兄弟やギベルティ、ドナテッロの作品を収集し、ナポリ入城の戦勝記念アーチ建設のためにドナテッロの弟子を招いている。
ナポリの宮廷はイタリア・ルネサンスがスペインに浸透する入口として機能した。
1450年代
世界各国史16 スペイン・ポルトガル史
絵画・彫刻にも関心をよせ、ファン・アイク兄弟やギベルティ、ドナテッロの作品を収集し、ナポリ入城の戦勝記念アーチ建設のためにドナテッロの弟子を招いている。
ナポリの宮廷はイタリア・ルネサンスがスペインに浸透する入口として機能した。
1450年代
世界各国史16 スペイン・ポルトガル史