コルテスは1484年エストレマドゥーラのメデリンで下級貴族の子供として生まれた。14歳のときサラマンカ大学で法律を学び始め、数年後、大学を止めて1504年、父親の費用でエスパニョーラ島へ向かった。その島の政府高官宛の推薦状を持っていた。しばらくしてエンコメンデロとして農地と住民を手に入れ、サント・ドミンゴ近くの小さな町アスアの公証人として7年間を過ごした。
1511年26歳のとき、副王ディエゴ・コロンの命令で、ディエゴ・ベラスケスのキューバ遠征に参加した。詳しいことは分からないが、コルテスはベラスケスの第一秘書に任命されキューバで裕福な土地所有者の一人になっていた。カタリーナ・シュアレスというスペイン女性と結婚し、ベラスケスとは一時反目し、後に和解した。キューバでは8年を過ごした。

大航海時代年表　コルテス2

ワイド アトラス　世界地図帳　平凡社

1517年キューバ在住のエルナンデス・デ・コルドバが120人の若者とともにキューバ総督ベラスケスを訪れ、西の方角への探検航海を申し出た。コルドバが2隻の船を用意し、ベラスケスが1隻の船と補給を受け持つことで契約が成立した。若者の中にベルナール・ディアス・デル・カスティーヨがいて、彼が後年「新スペイン征服の真の歴史」を書いている。
1517年2月、3隻の船がハバナを出港し、嵐に遭いながらカトチェに着いた。そこで遠くに都市があり、建物が石材で造られているのを見ている。住民と出会い、彼らの都市へ案内されている途中、地元の兵士の攻撃を受けた。その戦いで2人を捕虜として捕らえ、彼らにスペイン語を教え通訳にすることにした。そこの神殿にあった黄金製の首飾り、魚、アヒルの像などを奪って船に戻った。
カンペチェでマヤ人と出会い、日の出の方向から来たことを尋ねられている。 その後チャンポトンで水を補給するために上陸し、大勢の兵士たちとの戦いとなり50人が戦死、全員が負傷した。
キューバに着いたコルドバは傷がもとで間もなく死亡した。