カンシニョーリオの生前に着手されていた。一族の墓所で彼の義理の兄弟ベルナボの墓碑との競争意識もあったらしい。
柵の角にある6つの聖龕には石棺の守護者のようにゲオルギウス、マルティヌス、ノイスのクィリヌスなどキリスト教の聖なる戦士が収められている。石棺の上には2体の天使を従えている故人横臥像。石棺の周囲はキリスト伝諸場面、ゲオルギウスによって聖母に執りなされるカンシニョーリオ、聖母戴冠などの浮彫で飾られている。尖塔がある上層にはアーチ型壁龕のなかに4つの枢要徳像と2つの対神徳の座像、各隅の壁龕にスカラ家の紋章を持つ6体の天使像が収められている。最上層の壁龕には2人ずつの十二使徒像、頂点に武人支配者の騎馬像。この騎馬像がメインのはずだが、画像としては小さくなってしまう。
墓碑に見られる記銘には、平和・平安・信仰・敬心などがあり治世の栄光や宗教心を讃えたものになっている。

ボニーノ・ダ・カンピオーネ　1370年代　イタリア彫刻

ボニーノ・ダ・カンピオーネ　Bonino da Campione
カンシニョーリオ・デッラ・スカラ墓碑
（カンシニョーリオ騎馬像墓碑）　1374年頃
イタリア　ヴェローナ　サンタ・マリア・アンティカ聖堂墓所
世界美術大全集10　ゴシック2