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アヴィニョン 教皇宮造営

アヴィニョンでの教皇宮造営は、ベネディクトゥス12世(1334〜42)治下に始まり、クレメンス6世(在位1342〜52)の時代に完成した。
各地から文人・画家が教皇・枢機卿たちの庇護を求めてアヴィニョンに集まって来た。シモーネ・マルティーニはシエナから一族とともに移り、マッテオ・ジョヴァネッティはクレメンス6世のために多くの壁画を制作した。ペトラルカも仕事を求めている。
画家たちは仕事を求めて旅に出る。また作品は戦利品・贈答品などとして遠くまで移動した。王侯は盛んにアヴィニョンを訪れ、贈答による美術品の交換も盛んに行われていた。「教皇から二連画を贈られるジャン2世」(14世紀の板絵を17世紀に模写したもの)が残されている。1340年代に即位前のジャン2世とクレメンス6世が会見、教皇からビザンティン風のキリストと聖母の二連画がジャン2世に下賜されたときの様子が描かれている。この作品はパリのサント・シャペル、聖具室へ通じる扉の上に掲げられていたらしい。パリの画家たちはこの絵によって、イタリアの画家による空間表現やビザンティンの画風などを見ることができた。
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