大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

キリストの昇天

サーラ・スペリオーレの壁面、祭壇に向かって右側のほぼ中央に置かれている作品。対面する左側には「キリストの復活」、天井画は中央の「青銅の蛇」。祭壇近くに聖体拝領に関係する画像が集められているのに対して、中央付近には「死に対する勝利」に関する画像が集められている。
「キリストの昇天」は近くにある階段のため縦長の画面となり、垂直方向の動きを示すテーマにふさわしい画面になっている。勝利の棕櫚と生命のオリーヴの枝を持った天使たちが舞い、キリストは湧き上がる黒い雲に乗って天上へ昇っていて、その視線の先には明るい光が見える。地上では使徒たちが昇天を見守り、左手前に大きく描かれた人物は構図のバランスをとるとともに鑑賞者を画中の世界へ誘っている。
聖堂の蛇
荒野の生活に疲れたイスラエル人はモーセに不平をもらして、毒蛇によって罰せられた。人々が後悔したためモーセが神に指示を求めると、蛇の像を作り竿の上に設置すれば、蛇に咬まれた者も治癒すると告げられる。「民数記」
1570年代
ティントレット Tintoretto
キリストの昇天
1578〜81年 カンヴァス 油彩 538×325cm
ヴェネツィア 聖ロクス同信会館
サーラ・スペリオーレ
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3
西洋美術解読事典 河出書房新社