アレクサンドロス大王の前のダレイオスの家族
イッソスの戦いで敗れたペルシア王ダレイオスの母、妻と二人の娘が、アレクサンドロス大王の前に引き出される場面。多くの古典文学に記され、ペルシア王の家族を丁重に扱った大王の美徳を讃えている。
背景はモノクローム風に描かれているが、前景の人物たちは鮮やかな色彩で描かれている。物語に、母が大王の親友の将軍を大王と取り違えるという一節があり、狼狽する母に、赤い衣裳の大王が将軍を指して「心配には及ばない、母よ、この男もアレクサンドロスなのだ」という言葉をかけている場面。年下の娘は左端の道化が抱いている子犬を見ている。
背景はモノクローム風に描かれているが、前景の人物たちは鮮やかな色彩で描かれている。物語に、母が大王の親友の将軍を大王と取り違えるという一節があり、狼狽する母に、赤い衣裳の大王が将軍を指して「心配には及ばない、母よ、この男もアレクサンドロスなのだ」という言葉をかけている場面。年下の娘は左端の道化が抱いている子犬を見ている。
17世紀の文献にヴェネツィアのピサー二家で見たと記されている作品。個人向けの作品としては、構想が雄大で、制作の質も高い。当時のヴェネツィアで最大級の富と威信を誇っていた一族からの注文は重要なものだった。
1560年代
ヴェロネーゼ Veronese
アレクサンドロス大王の前のダレイオスの家族
1569年頃 カンヴァス 油彩 236×475cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3
1560年代
アレクサンドロス大王の前のダレイオスの家族
1569年頃 カンヴァス 油彩 236×475cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3