アレゴリー
「ヴァスト侯のアレゴリー」と呼ばれていた作品だが、ティツィアーノが描いた2点のヴァスト侯の肖像とは似ていないらしい。
E.パノフスキーは「結婚のアレゴリー」とし、左の二人を、ヴィーナスとマルスの姿の夫婦の肖像としている。ヴィーナスが持つ水晶球は「調和」のシンボル、小枝の束をかつぐキューピッドは「夫婦の結合」、ミルテの冠をつけた女性は「結婚の信義」、右端の薔薇の籠を掲げる女性はそのポーズから「希望」を表しているとされる。女性の胸に置かれている手は別れを告げる仕草とされ、夫婦のどちらかが死亡したことを暗示しているらしい。
1962年に修復された際、カンヴァス上の素描が現れた。男の手は自らの胸に置かれ、水晶球も描かれていない。保存状態は良くなく、絵具は摩耗している。
1639年にイギリス王チャールズ1世がスペインで購入し、その後フランス王ルイ14世のコレクションに入った。
1530年代
ティツィアーノ Tiziano
アレゴリー
1530〜35年頃 カンヴァス 油彩 121×107cm
パリ ルーヴル美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3
E.パノフスキーは「結婚のアレゴリー」とし、左の二人を、ヴィーナスとマルスの姿の夫婦の肖像としている。ヴィーナスが持つ水晶球は「調和」のシンボル、小枝の束をかつぐキューピッドは「夫婦の結合」、ミルテの冠をつけた女性は「結婚の信義」、右端の薔薇の籠を掲げる女性はそのポーズから「希望」を表しているとされる。女性の胸に置かれている手は別れを告げる仕草とされ、夫婦のどちらかが死亡したことを暗示しているらしい。
1962年に修復された際、カンヴァス上の素描が現れた。男の手は自らの胸に置かれ、水晶球も描かれていない。保存状態は良くなく、絵具は摩耗している。
1639年にイギリス王チャールズ1世がスペインで購入し、その後フランス王ルイ14世のコレクションに入った。
1530年代
アレゴリー
1530〜35年頃 カンヴァス 油彩 121×107cm
パリ ルーヴル美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3