イオ ガニュメデス
マントヴァ公フェデリコ・ゴンザーガ2世から皇帝カール5世に贈られた「ユピテルの愛」連作のうちの2点。「イオ」と「ガニュメデス」は対になっていて、マントヴァ公の私室のために描かれた作品をマントヴァを訪れた皇帝に贈ったともされている。
オウィディウスの「変身物語」からとられた主題で、
「イオ」は雲に姿を変えた好色なユピテルが、アルゴス王の娘イオと交わる場面。ルネサンスでも珍しい主題で、半透明にユピテルの顔と手がかすかに見える暗雲に、イオの裸身が明るく浮かび上がっている。画面右下に絵具が退色しているが、泉の水を飲む雄鹿の頭部が見える。中世キリスト教美術では「泉の水を飲む鹿」は神の愛への渇望を寓意していたらしい。
「ガニュメデス」は鷲に変身したユピテルが羊飼いの少年ガニュメデス(トロイアの伝説上の王トロスの息子)を誘拐する場面。ギリシア的同性愛・少年愛をテーマとして絵画や彫刻で取り上げられていたが、ここでは無邪気な少年の冒険として描かれている。
1530年代コレッジョ Correggio
イオ ガニュメデス
1530〜31年頃 カンヴァス 油彩
163.5×74(70.5 ガニュメデス)cm
ウィーン 美術史美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3
オウィディウスの「変身物語」からとられた主題で、
「イオ」は雲に姿を変えた好色なユピテルが、アルゴス王の娘イオと交わる場面。ルネサンスでも珍しい主題で、半透明にユピテルの顔と手がかすかに見える暗雲に、イオの裸身が明るく浮かび上がっている。画面右下に絵具が退色しているが、泉の水を飲む雄鹿の頭部が見える。中世キリスト教美術では「泉の水を飲む鹿」は神の愛への渇望を寓意していたらしい。
「ガニュメデス」は鷲に変身したユピテルが羊飼いの少年ガニュメデス(トロイアの伝説上の王トロスの息子)を誘拐する場面。ギリシア的同性愛・少年愛をテーマとして絵画や彫刻で取り上げられていたが、ここでは無邪気な少年の冒険として描かれている。
1530年代
イオ ガニュメデス
1530〜31年頃 カンヴァス 油彩
163.5×74(70.5 ガニュメデス)cm
ウィーン 美術史美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3