受胎告知
カッポーニ礼拝堂、祭壇画「十字架降下」の右側面に描かれている。大天使ガブリエルは宙に浮き、マリアの方を向いていない。祭壇画の死せるキリストとマリアの双方を向こうとして体を捻っている。両腕で自らの右足の太ももを抱えるようにしているのは、死んだキリストと同じかたちをとろうとしているとされている。
マリアも祭壇画のキリストの死を見て、大天使を見ていない。大天使が告げているのは受胎だけでなく、キリストの死も告知していると考えられている。
天使とマリア、二つの方向性と二つの意味を表すために、ともに体を捻らせているが、矛盾し葛藤する意味を伝えるためだとされる。
世界美術大全集15 マニエリスム
十字架降下
1520年代
ポントルモ
受胎告知
1528年 フレスコ(カンヴァスに移行)368×168cm
フィレンツェ サンタ・フェリチタ聖堂