大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

ロレンツォ・デ・メディチ 朝 夕

この像をウルビーノ公ロレンツォと伝えているのはヴァザーリ。顔は非個性的でミケランジェロは肖像彫刻を目指していなかったらしい。頬に手をやり、左肘をこうもりの顔が付いた金庫に載せていることから「メランコリー(憂鬱質)」の性格を示している。
ジュリアーノ像とともに古代ローマ風の甲冑を着けているのは、教皇レオ10世からローマの貴族位が授与されたためとされている。
4体の像が一日の四つの時を表す擬人像ということは当時から知られていた。左の「夕」はけだるそうな髭の男が肘をついて下を見ている。その無気力な表情から「粘液質」を示しているとされる。右の「朝」は哀しげに眉間に皺をよせ、頭には金属製の留め金をつけている。背中のヴェールは「喪の象徴」で、胸の下の細い帯は「囚われ人」の象徴とされる。
1520年代
ミケランジェロ Michelangelo
ロレンツォ・デ・メディチ 朝 夕
1525〜26年頃 1524〜27年 1524〜31年 大理石
フィレンツェ サン・ロレンツォ聖堂メディチ礼拝堂