雲に座る聖母子と六人の聖者が描かれた群像画。奥行きのある空間を作っているが、背景が暗い雲に覆われているためか動的な印象はない。
手間でひざまずいているのは洗礼者聖ヨハネとマグダラのマリア。「三位一体についての論議（1517〜18年頃）」と同じような姿で描かれている。立っている四人は左から、木の葉を編んだ腰巻きを着けた聖オヌフリウス、聖ラウレンティウス、杖を持つ聖ロクス、矢を持つ聖セバスティアヌス。顔面が褐色の二人が気になる。未完なのだろうか。
アンドレア･デル･サルトの友人が出身地の教会へ寄進するために制作を依頼したとされる作品。
1520年代

アンドレア･デル･サルト　Andrea del Sarto
聖母子と六聖人（ガンバッシ祭壇画）
1526〜27年頃　板　油彩　215×175cm
フィレンツェ　ピッティ美術館
世界美術大全集12　イタリア・ルネサンス2